星泉 絶体絶命
生体解剖のところを詳しく書き換えてみました。
TBS「セーラー服と機関銃」のドラマを見ました。最初楽しく始まったけれど、後半は悲劇になってきていまいちでした。原作のほうがもっとよかったです。特に生体解剖になりそうになって、それを助けに行く佐久間とファンクラブ三人組の活躍のところが印象に残っています。
でも、悪魔のドク(三大寺一<太っちょ>)にしては手ぬるい。どうせならもっと派手に、と思って、手を加えてみました、、。原作と合わせてお読み下さい。
参考文献と関連記事は、トラックバックをご覧下さい。
(2006.11.11投稿、その後修正中)
星泉 絶体絶命(生体解剖)
星泉は高校2年生で暴力団の新任組長。死んだ先代組長の縁者ということで祭り上げられてしまった。それなりに組長の仕事をこなしていたが、対立する別の組に捕らえられてしまう。大量のヘロインを隠していると思われ、脅して吐かせようというのである。
ドクと名乗るボスの手で機関銃の人間標的にされたり、ずぶぬれにされて冷凍室に入れられたりしたが、知らないものは言えるわけがない。
次に連れていかれたのは手術室のような部屋だった。頭上に大きな照明、手術台、手術道具を満載したワゴンのようなもの・・・。なめらかなリノリウムの床、清潔に明るいグリーンに塗られた壁。
手術道具のせた台には、メス、ハサミ、ノコギリ、ドリルなどが磨き上げられた光を放っている。その冷たい輝きに背筋に戦慄が走った。
ドクが泉を見て言った。
「私は麻薬を扱っている。主にヘロインだ。金になるのも事実だが、他の意味もあるのさ。分かるかね?」
泉は黙って肩をすくめた。
「麻薬は一種の拷問なのだよ。ヘロインを乱用すると、体内の筋肉に激痛が走り、骨がばらばらになって飛散すると思うほどの痛み、悪寒、嘔吐、失神などの激しい禁断症状に苦しむことになる。あまりの苦しさから精神異常をきたすこともある。禁断症状から逃れるために続けると、最後は、呼吸困難、昏睡の後、死に至る。それを思うと快感を味わえるのさ。
それに、中毒患者は苦しみのために罪を犯してでも薬を手に入れようとする。そのためには強盗殺人さえいとわない。ヘロインの取引を巡っても多くの血が流れることを考えると、恍惚とさえしてくる。
今度のヘロインは、2億円以上の品なんだよ。これだけあれば、どれだけ多くの人間を苦しませて死なせられるかと思うと、ぜひ手に入れたいのだよ。これだけばらまけば多くの人間が殺し合うだろう。すでに何人か死人が出ているようだがな」
手術台に見えた台の上はたくさんの穴のあいたステンレス板だった。透けてはいないので、下に穴のないステンレス板を張った二重構造になっているようだ。その穴のいくつかには、頑丈そうで金具のついた革ベルトがボルトで固定されていた。
「ここで何人も解剖してきた。ただ残念ながら全部死体だ、しかし、死体は解剖してもつまらん。コチコチになっとるので、えらく骨が折れるばかりでな」
と首を振る。
「日本軍の、731部隊では中国人をおおぜい捕まえて生体解剖をした。フィリピンでもやっているし、九州では墜落したB29の搭乗員も犠牲になった」
「わたしもやろうっていうの?」
どうやら、泉を生きたまま解剖するつもりのようだ。何とか助かる手はないだろうか。しかし、何を言ってももうこの異常者は、予定を変えないだろう。<包み>の場所を知っているとでたらめを言ったとしても、彼女を助けるつもりはないだろう。純然たる楽しみで人を殺すのだ。損得ではない。
「君の意志の強さはよく分かった。あの人間標的や、寒さに耐えた君だ。今さら私が<包み>はどこにあるのかと訊いても、答えてはくれないだろうね」
「知らないものは答えられないわ、あなた、日本語が分からないの?」
「いや威勢がいい!実に結構。では、今から、君を私のものにする」
泉が身を固くするのを見ると。
「私はセックスには興味がない。何せこの体ではね・・・。」
と巨体を揺すった。
「私は永年、それにふさわしい女性を捜してきた、誰でもいいというわけにはいかない。すぐに失神してしまうようではつまらないしね。そして今やっと見つけたんだ。私はこの解剖台の上で君を自分のものにする」
「だったら早く殺して」
「殺しては生体にならない」
とドクが笑った。
「本気なの?」
「ただ切るだけだ。それなら私にもできる。道具も揃っている。」
「いやよ! 生きたまま・・・そんな・・・」
「生きたまま・・・麻酔もなしでやる」
「悪魔!」
ドクは微笑んだ。
「そう呼ばれるのが私の夢だった。光栄だよ」
夢中で部屋を飛び出そうとしたが、多勢に無勢、大暴れをしたが、すぐに部下たちに取り押さえられてしまった。解剖台に引きずられていき、両手首、両足首を大の字に広げられて縛り付けられた。それでももがいて暴れていると、さらに押さえつけられ、両腕は真横に広げられ、両脚は大きく開いて、念のいったことに、両腕両脚3カ所ずつ革ベルトできつく固定されてしまった。手足に力を込めて動かそうとしたが、ベルトが食い込むだけでびくともしない。手首から先、足首から先、頸から上がかろうじて動くだけになってしまった。これでは騒ごうがわめこうが全く身動きが出来ない。
セーラー服は着たままだが、袖は肩が出るまでたくし上げられ、スカートはまくられて太腿まで丸出しになり、革ベルトで固定されている。口には猿ぐつわをかまされているが、口でも呼吸は出来るようだ。
解剖台の頭上のライトが点灯され、まぶしいほどの光が投げかけられた。
天井を見ると、なぜか鏡がつけられていて、全身が見えるようになっている。解剖される人間に自分が切り刻まれる姿を見せようというのか、、。天井や部屋のまわりにはテレビカメラが何台も据え付けてあり、解剖台に向けられていた。泉の様子がモニターに映し出されている。記録するつもりらしい。これを証拠に、こいつら全員死刑だな。標本も残すつもりらしいから、調べれば泉が生きたまま解剖されたことは明らかにされるだろう。もっとも、ビデオがなくても、証拠を残さずに解剖なんて無理な話だ。DNA鑑定なんてのもあるから、内臓の破片1つ、血の一滴でも残れば、犯行は隠しようがない。
ドクと何人かの部下が手術着に着替えて囲んでいる。
「服が邪魔だな。取ってしまえ。」
「この状態で脱がせるのは無理ですよ。外せばまた暴れるし」
「どうせ体はばらばらになってもう着ることはない。切り裂いてしまえ」
部下達がセーラー服とスカート、下着までもはさみで切り、引き裂いて、たちまち全身むき出しにされてしまった。
「きれいに片付けろ」
体と解剖台にはさまっていた服の切れ端も引き出され、固定ベルト以外、一糸まとわぬ姿にされてしまった。腕と脚を固定したベルトは締め直され、さらに、腰には内股から左右の腰骨にかけて斜めにベルトが掛けられ、肩にも斜めにベルトが掛けられ、締め付けられた。これで、腰と肩の左右を固定され、胴体はびくともしなくなってしまった。これだけ頑丈に固定されているのに、体の中心を横切るベルトはなく、腹と胸は大きく開いている。解剖の邪魔にならないように考えているのだろう。ステンレスに背中が押しつけられて冷たい。手術台ならクッションがあるし、解剖台なら固定ベルトなどない。特注品なのだろう。天井に鏡があるので、自分で自分の体を眺めることになってしまった。
「ふむ・・・」
ドクはじっと泉の体を見下ろした。
「素晴らしい! これこそ、私の望んでいた肉体だ。全く完璧だ!」
ドクは微笑みを浮かべた。
「猿ぐつわは窮屈だろうが、舌をかんで死なれては困るのでね」
そして、傍らの台からメスを取り上げた。
「解剖をはじめるぞ。まずどこからはじめるか?」
部下の一人に話しかけているようだった。
実際に解剖が始まると、すごい痛みだろうが、どう反応したらよいのだろうか。痛みを我慢する意味は全くない。しかし、手術なら痛がれば加減したり麻酔を強めたりするだろうが、ここでは喜ばせるだけだ。むしろ、面白がってよけい痛い思いをさせられるだけだろう。
「腹からでどうです?心臓や肺を傷つけると死んでしまうので、最後まで残しておいた方がいいですね。首から上には、触覚、視覚、聴覚、嗅覚、味覚と、5つの感覚器官が集中しているし、中枢神経がありますから、感覚が鈍らないように、初めは傷つけない方がいいでしょう」
「だが、武士は切腹で死ぬだろう。腹を切ったら死んでしまうのではないか」
「切腹はなかなか死ねないそうですよ。すぐには死にきれず、長く苦しむようです。それに猛烈に痛い。それで、武士の強さを見せるために切腹というのがあったそうです。」
「切腹を命ずる、なんて刑があったけれど、本当に自分で切ったのかな?」
「実際は、形だけで、白扇子を当てて斬首というのがほとんどだったようですよ。武士でも自分で腹なんて切れるものではない。赤穂浪士だって、実際に腹を切ったのは大石内蔵助とか、二三人だそうですよ。」
この部下はインテリ風だが、ボスも一目置いているらしい。
「では、腹から切り始めるとしよう」
「四十七浪士の分の切腹を介錯なしで一人でやってもらうようなものですね。これだけしっかり縛り付けてあれば、暴れて困ることもないでしょう。出血がひどいとそのショックで死んでしまいますから、止血をして少しずつ様子を見ながら切った方がいいですね。」
「内臓はどのあたりにあったかな」
「胃がこのあたり、その横に肝臓、裏に膵臓と脾臓、胃に十二指腸がつながって、小腸と大腸ですね」
泉の腹に内臓の輪郭がペンで書き込まれていった。
「心臓。肺はこのあたりですから、初めは切らないように注意した方がいいです」
「日本軍は、麻酔をして生体解剖したらしいな。これからやるのは、それ以上の悪魔ぶりというわけだ」
「実際は、麻酔剤はほとんどなくなっていて、使う余裕はなかったようですよ」
ドクは少し白けたようだった。
「カエルやマウスの生体解剖でも麻酔はしますね。麻酔が切れると暴れ出してやっかいです。麻酔なしで、それも人間の生体解剖なんて珍しいでしょう。麻酔のない時代の手術はあまりの痛さで地獄図のようだったそうですよ。大勢で押さえつけながら手術したのだとか。今回は、念入りに固定したので、いくら暴れようとしても動けませんよ。無麻酔の手術は一部切るだけですけれど、ショックで失神してしまうことも多かったようです」
「失神したら覚醒剤を使おう。意識が戻るだろう。痛みを感じなくなってしまってはつまらない。これだけ残酷な殺し方は、過去にも例はないだろうな」
「気絶しない程度に切っていきましょう。強い痛みは切っているときでしょうから・・・。開腹手術では何時間も開けていて大丈夫なのだから、血管を切らないように気をつければ、すぐには死にませんよ。生きている内臓なんて医者でもよくは見られませんよ。手術では必要なところしか切りませんからね」
泉は血の気が引いてきた。このまま失神して意識がなくなってしまえばいいのに、なぜか逆に頭が冴えてきてしまっている。
ドクがのぞき込んでいった。
「心配するな。私は素人だが、こいつは少しは分かっている。検査技師のなり損ないだからな。致命傷にならないように進めてくれるだろう」
この場合、早く息の根を止めてもらった方がましだ。
別の部下が口を挟んだ。
「これだけの女、このまま殺すのはもったいない。みんなで頂いてからにしてはどうですか」
泉の体を調べ始めた。
「生娘らしいですぜ」
「それならなおさらいい標本になる。生きたまま切り取ろう。無傷の処女膜付きなんて珍しい標本だぞ」
技師のなり損ないに向かって
「死なせずに取れるかな。無傷の子宮を取ってしまったなんていうニセ医者がいたな。なくても生きていけるものなら大丈夫だろう。本人にも自分のを見せてやりたい」
今度は別の色のペンで、腹の上に書き始めた。
「子宮はこのあたりで、小腸をどかせてやれば奥にあります。子宮だけでいいのですか?」
「いや、入り口から全部つながったままとろう」
「膣は、骨盤の真ん中に開いていて、体の中心を通っているから、体をくりぬくようになって大変です。太い血管とか神経とかがすぐ横を通っています。膀胱がすぐ前、直腸がすぐ後ろにくっついています。」
「何とか生きたまま取り出すんだ。切るときに苦しむ様子も見たい」
「やってみましょう。足を開いて固定してあるから、股下からと下腹部の両方から切っていきましょう。腹の前の大腸から直腸を通って後ろの肛門につながり、背中の腎臓から前の膀胱に輸尿管がつながっていて交差しています。このあたりは複雑です。みんな一緒に切り取って、あとで別にしましょう」
言いながら、股下あたりが、ペンで丸く囲んで線が引かれた。
「出血がひどくなると血圧と体温が下がって感覚が鈍くなるから、点滴でブドウ糖と覚醒剤を注入して、体温が下がったら暖めながらやりましょう。普通の手術なら感覚が麻痺した方がいいのですけれどね。弱ってきたら、休ませてアミノ酸の点滴をしましょう」
「充分感じてもらわなければつまらない。その後はどうしたらいいかな」
「外性器から子宮までのセットで取り出して、標本の一号にしたらどうでしょう。腸は伸ばして引っぱり出しますか?」
「いや、内臓でまとまったまま標本にしたいな」
「では、消化器官はまとめて取り出して標本にします。シリコンで固めてプラストミック標本にする準備は出来ています。内臓には血管がたくさんつながっているので、1本1本縛って、大量出血にならないようにしましょう。消化器官の後ろの腎臓は膀胱とセットの標本にするといいですね。手足はどうしましょうか」
「皮をむいて、筋肉を見たいな。引き締まった筋肉をしていそうだ」
「太い血管は切らないようにして、表面の皮をみんなむいてしまいましょう。死体の皮を剥ぐより、柔らかくて作業は楽でしょう」
「心臓が生きて動いているのも見たいものだ」
「両脇の肋骨を上からそれぞれ9本目までのこぎりで切り開いて、胸骨の上部を鎖骨から外せば胸板を乳房ごと外せます。肺に穴を開けないようにゆっくりはがしていきましょう。まだ生きていれば、心臓と肺の動きが見えるはずです。ただ、肋骨を切り開いてしまったら自分では呼吸ができなくなってしまいますから、その前に人工呼吸器を取り付けておきます。この時まで意識を持たせられるといいですが」
「生かせておけるかな。反応がなくなってしまったらつまらないからな」
「ここには最新の手術器具も生命維持装置も揃っています。レーザーメスも使って出血を押さえ、出来るだけ長生きさせましょう」
「生きたまま切り始めると、血管に気をつけてもずいぶん出血があって邪魔になるだろう。準備はしてあるのだろうな」
「洗うためにシャワーで食塩水が出るように用意してあります。生理食塩水を人肌に暖めておくのが刺激が少ないでしょうが、それでは面白くないので、もっと濃い食塩水を、熱めに暖めておきました」
「傷口に食塩水とは、刺激が強くて面白そうだな。だが、熱いのをかけたら、やけどをして標本を傷つけるのではないか?」
「触ると熱いけれど、やけどをしない程度の温度にしています。試してみましょう」
と言うと、シャワーでしばらくお湯を出してから、泉の手にかけた。
熱さを感じるより前に、泉の全身の筋肉が反射で収縮を始めた。普通なら瞬間的に飛び上がっていたところだろうが、固く縛り付けられているので、全身がけいれんしただけだった。
「ご覧のように、感じはしますが、皮膚を痛めはしません。別のところでも試してみましょう」
と、今度はすねのあたりにかけた。身構えたが、やはり全身けいれんして、今度は激痛が走った。大暴れをしたときに擦り傷を作ったらしい。傷口に熱湯の食塩水をかけられたからたまらない。反応すれば喜ばせるだけだと思っても、意思とは無関係に体が反応してしまう。
「傷口の消毒になってちょうどいいでしょう。もっとも、化膿し始めるまで生きてはいないでしょうけれど」
「これは面白い。解剖の切り口にかけたときの反応が楽しみだ」
「これで洗いながら解剖を進めましょう。ブラシも用意してあります」
「では、そろそろ始めるか」
部下らしいのが増えてきている。どうやら全員に召集がかかったらしい。みんな手術着を着ていて、顔が青ざめて見える。ドクと技師のなり損ないだけは紅潮させているが。
「度胸試しだ。みんなで少しずつ切るんだ。全員悪魔の共犯だぞ。深く切りすぎないように慎重にな。切るところに線を引かせるからな」
腹にまた、ペンで線が引かれている。ところどころに区切りを入れて、一人分を示しているらしい。どうやら本気で泉をばらばらにするつもりのようだ。これでいよいよ最後か・・・。
ドクに聞かされた、麻薬取引の恐ろし目的を思うと、たとえ体をばらばらに切り裂かれてもヘロイン探しに協力する気はないが、この場を何とか切り抜けねば。
ふと、猿ぐつわはされているものの、声が出そうだと気がついた。
「ヘロインはいらないの?!」
思いっきり叫んでみた。猿ぐつわのせいで声がはっきり出ない。でも、反応があった。
「しゃべる気になったのかな」
うなずくと、猿ぐつわが外された。
「さて、<包み>はどこかね」
このチャンスをと、一気にまくし立てた。
「初めから言っているように、知りません。でも、私などが何で命を懸けて隠さなければいけないの? 知ってたらとっくに話していますよ。でも、私が何か知っていると思うから捕まえて無理矢理しゃべらせようとしているのでしょう? 殺してしまえば手がかりなしですよ! 」
「なるほど、一理あるな。解剖はしばらく延期にしよう。協力してもらおうか」
「なら、ここから外してちょうだい」
「縛り付けるのに苦労したからな。まだ当分そのままいてもらおう。食事は口に入れてやるよ。排泄物はそのまま出せばさっきのシャワーで洗ってやる」
「協力したら助けてくれるんでしょうね!」
「<包み>が戻らなかったら、麻酔一切なしで生体解剖をはじめる。生きたままばらばらにしてやる。
君にはすでに二つの大きな罪がある。
一つは<包み>を隠し、聞いても答えずに、さんざん手こずらせてくれたこと。ヘロインで大勢に拷問を加える楽しみが君のせいで台無しだ。
二つ目は、私の永年の夢を、ついに実現しそうになったところで中断させてしまったこと。この夢のために、長い時間をかけて準備し、設備を整えるために金もかかっている。そして、ようやく理想的な材料も手に入れた。それをいいところでストップさせてしまった。
今度は<包み>が取り戻せるかと期待させるようなことを言い出した。これで期待を裏切ったらとしたら、それは三つ目の重い罪になる。罪はしっかり償ってもらわなければならない。二つの罪でも大きいが、三つ目も加わるとなると初めの予定通りの解剖では足りない。待たされた分の利子を付けて、もっとたっぷりと時間をかけて楽しませてもらうぞ。
消えた<包み>の2億円分も弁済してもらわなければならない。その身体で払ってもらおう。簡単に死なれて解剖標本になっただけでは2億円分にはならない。これがあれば苦しんで死なせられたやつらの分の痛みを、一人で全部味わってもらおう。
リハーサルが必要だな。君の前にもう一人解剖して、完璧な解剖のために練習しよう。身体をばらばらにしながら、いかに失神させずに長く生かしておけるか、痛みの感覚をいかに強く長く持続させるか研究が必要だ。激痛を感じさせながら組織は傷めないようにしたい。最後は綺麗な標本に仕上げる。君にも目の前でじっくり自分の運命を予習してもらう」
「これ以上、関係ない人を巻き込まないで! 私だって無関係よ!」
「素直に<包み>のありかを教え、取り戻せたら、リハーサルはやめるよ。君にはヘロインを分けてやる。取り戻すのに役に立つ情報でもいい」
「ヘロインなんていりません」
「ヘロインは心地よい強烈な陶酔感をもたらすそうだ。冥土のみやげに体験してみてはどうだ。禁断症状が出るころはもう身体がばらばらになり始めているから関係ないだろう。ヘロインには強力な鎮痛効果があるのだよ。生体解剖の時の麻酔に使ってやる。
長い時間苦しみたくなかったら、<包み>探しに積極的に協力するんだな。<包み>が見つかれば大勢の人を苦しめることができる。その分、君の苦しみは軽くなることになるよ。もちろん、<包み>を取り戻すのに直接役に立つ情報でなければだめだ。見つかったとしても、この手に戻らなければ意味がない。でたらめを言ってごまかし、時間稼ぎをしていたのが分かったら麻酔はなしだ。<包み>が途中で軽くなっていたら、それは君のせいだから、分け前はなしだ。
<包み>ありかを聞いて取り戻せたら、約束通り、解剖には麻酔を使ってやる。ただ、麻酔をして解剖では死体解剖とたいしてかわらん。君のような生体解剖に理想的な肉体の持ち主はなかなか見つからないだろうから、代わりに二三人捕まえて麻酔なしの解剖を楽しむことにする。君の心配することではないが」
そう言って、なにやらスイッチを入れると、解剖台が動き出した。
「もう一つ、面白い仕掛けを見せてやろう。この解剖台は角度を変えられるのだよ。垂直に立てることもできる。立てた状態で解剖するのも、自然な状態に近くて悪くない」
台が動いて垂直になり、磔状態になってしまった。
「いい眺めだ。お楽しみはお預けだ。まあ、時間がある分、解剖の楽しみ方をいろいろ考えさせてもらおう。それまでこの状態でいてもらう。
では、<包み>について知っていることを洗いざらいしゃべってもらおうか」
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受信: 2006/12/07 10:17:34
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